2015年5月28日木曜日

合掌行気を行なう







   合掌行気は、手のひら(掌)の感覚を亢めるための
   訓練法として、野口整体では、愉気の入門として
   まず行なう行法です。

   手は愉気や操法の場合、直接に相手(受け手)との接点と
   なる唯一の部位であり、感覚を最初に受け取る受信器部分
   と空想されます。

   本当は、気のやり取りは身体全体で双方に感受し合っている
   ものなのですが、気の集注箇処として、非常に重要な
   ジョイント部分としての役割を担っているともいえます。

   合掌行気は、掌に気を集注させる道筋や過程を訓練すること
   により、手を使うことが身体全体を用いることでもあり、
   感覚は全体に広がってゆくものであることを、学ばせ
   体感覚として掴ませるためのものであると考えられるのです。


   
   ◆合掌行気のやり方

    基本的な体位は、正座にて手のひらを胸の前あたりで
    合わせた状態で行ないます。 


              画像が小さくて見づらい場合はyoutubeにてご覧ください。

      

    ①座位にて、手のひらを少し離した状態で胸から
     顔の前あたりまでの範囲で腕を上下して、
     肩、首等の力みが抜ける高さを探します。
        ※背側の腰の反りが自然に生まれる位置でもあります。

    ②上胸部の力みが抜け、腰に重心が落ち着き
     鳩尾の緊張が抜ける手の高さの位置が決まったら
     その位置で、少し離した両手の掌の間に息を
     静かにゆっくりと吹きかけます。

    ③しだいに離した手のひら同士が近づきあって
     来ますので、軽く合わさるか、手の何処か一部でも
     触れたら、意識的に合わせ、合掌いたします。

    ④基本は指先から息を吸い込み、手のひらの
     掌(たなごころ)から手首あたりまで吸い込んで
     しばらく溜め、指先から呼いてゆく、、。
     ということを繰り返します。

    ⑤通常は、10分、20分、30分くらいは
     この状態で一回の行気としての時間を当てます。

    ⑥気の集注密度が亢まってくるに従い、手のひらに
     さまざまな感覚が起こります。
     ビリビリした感じ、熱くなる感じ、もぞもぞした感じ
     ほあほあと湯気が上がるような感じ,、,等
     いずれも気が集注することによって、引き起こされる
     感覚です。

    ⑦行気を終えるには、「止めの呼吸法」※活元運動の項参照
     深息法にて「うーむ」と吸い込んで止めた状態で
     目を片目づつ開け、手のひらを離し、膝に置いた状態で
     息を静かに呼いて終えるのがよいです。


     
   
    合掌行気は、練習を積むことにより体感覚として
    能力が亢まります。
    練習法として、段階的に指先から肘まで吸い込んでみる
    であるとか、肩までであるとか、
    そのまま頸椎と胸椎の繋がり目まで吸い込み、脊椎に
    下ろしていくであるとか、、、
      だんだんと気の通路を長く伸ばしていきます。
    一息でそれらを行ないますから、息の長さも修練されて
    行くのです。

    
    上記の動画では、
    ひと指ごとに気を通しています。
    ひと指行気を行ないながら、身体のどこの部位に
    自然に気が集注しているか観察しているのです。

    行気、愉気と云うのは、気の集注が亢まるにつれて
    意識的に集注させている部分とは別の部位に、自然に
    気が連動するように集まってくるのです。
    自然集注と言い、その自然集注こそ行気法の要点なのです。













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